素顔が失われていく時代

素っぴん|情報の氾濫の中で思う

春の風夏湖乃氏

そう言えば素っぴんでした春の風

こんな句が大好きである。けれども最近、自分の素顔を忘れてしまったような気がする。

インターネットがつながった時には、知らない世界とつながり、真実に近づけるものと喜んだ。蓋を開けてみれば、期待したものなどどこにもない。しかし友人は、「それこそが真実」などと言いやがる。
つまるところ、求める真実は無明にあり、それに対するひとのスタンスは疑いであるから、世界の情報とは懐疑に発する嫌悪であると。だから情報社会は不毛な場所に着地するものだと。
とはいえ、今日を生きるために氾濫する情報に踊らされ、右往左往している。友人は、「良く生きようとすることこそが悪しき生き方」と笑う。
たしかに、最近自分を失ってしまったような気がする。(泰)


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