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上野の桜

春を探しに

上野公園の俳句コロナ禍に静まり返った街ではあるが、開花宣言を聞くと心が騒ぐ。3月20日、乗客の少ない朝の電車を乗り継いで、上野駅に降り立った。
上野といえば、思い浮かぶのは松尾芭蕉が44歳の句、深川の芭蕉庵から上野、浅草方面を望んで詠んだ

花の雲鐘は上野か浅草か

鐘とは、江戸に9か所あった時の鐘のことで、上野では寛永寺にあった。
正岡子規の法隆寺の俳句以降、鐘の音は秋に結び付くが、鐘も桜も刹那の象徴であり、春の鐘の音も悪くはない。ただ、時代は移り変わって、街中で鐘の音を聞くことはなくなった。ならばどんな音を聞こうかと耳をそばだてれば、他人の咳き込む声しか聞こえない。
桜は咲いたが、いつになれば春は来るのか。アメ横の芭蕉句碑をスマホに収めると、人通りが気になり、そのまま家にUターン。桜の花は車窓から見た。(泰)


桜の俳句季語(桜)|末成歳時記
季語で「花」といえば桜。桜の語源と富士山の関係をご存じだろうか。果たして、日本人は太古より桜を愛でる民族だったのだろうか?

桜の俳句句碑探訪|春や昔
正岡子規の春の句を探しに松山へ。温暖な子規の故郷に降りると、城の句を詠みたくなること間違いなし。どのビルより高くそびえる松山城は、桜の花に煙って見える。

桜の俳句久保より江|俳人のシニザマ
しづの女・久女の時代に特別な光を放った女流俳人が、忘れ去られようとしている。この女性を埋没させてはいけない。「吾輩は猫である」にも登場する、特別な俳人。